自賠責保険とは、交通事故でケガをした時に治療費、交通費(通院するための)、
休業損害費、慰謝料などを補償する損害賠償制度です。
通常は通院がすべて終了した後に、保険会社と示談交渉し慰謝料が支払われます。
慰謝料は、自賠責保険範囲内では通院期間と通院回数によって算出されます。
誤解されやすいのが、症状の程度(重症、軽症)で算出されるわけではないのでご注意ください。
慰謝料とは、事故によって被害者が受けた精神的な苦痛に対して支払われる賠償金のことで、
1日4,300円支払われます。
(患者様の過失が9割以下の場合です。過失が10割の場合は除きます。)
慰謝料の対象になる日数は、「治療期間」と「実治療日数」によって決定されます。
治療期間=治療開始日~治療終了日までの期間 実治療日数=実際に治療を受けた期間
「治療期間」または「実治療期間×2」で少ない方の数字に
4,300円かけた金額が慰謝料として算出されます。
(「実治療日数×2」とありますが、実治療日数の2倍が算定されるのは、整形外科に通院した場合と整骨院(接骨院)に通院した場合のみです。鍼灸院や整体院では、実治療日数しか算定されません。慰謝料の面から見ても、整骨院に通院することをお勧めします。)
交通事故によって妊婦が流産または死産をした場合は、上記のほかに慰謝料が認められます。
慰謝料算定例 (3か月間、整形外科や整骨院に通院した場合)※治療期間90日と仮定 通院が週1回程度の場合→約11万円 通院が週3回の場合→約33万円 通院が週4回以上の場合→約39万円 ここで注意が必要なのが、上記の例のように算出された慰謝料が必ず受け取れるわけではないということです。 自賠責保険が補償する障害による損害額は、 治療費、看護料、通院交通費、義肢などの費用、診断書料、文書料、休業損害などの総額の上限が120万円と定められています。 |
このように同じ期間でも、通院期間や通院回数によって慰謝料の算定額が変わってくるのです。
そのため、体の症状がよりよく改善に向かうためだけでなく、
仮に示談交渉が終わった後に症状が出てきた場合の通院費にあてるためにも
通院しやすい整形外科や整骨院に通われた方がいいと思います。
応急手当費診療料、入院料投薬料、手術料、処置料等、通院費、転院費、入院費など
※整骨院での施術費はここに該当します。
通院に際しての交通費が支払われます。
例:公共交通機関、タクシー、有料駐車場など
自賠責保険基準では原則として1日6,100円が支払われます。
また、日額6,100円を超える収入があることを証明できる場合には、
19,000円を上限に下記の計算式から算出した実費が支払われます。
1.給与所得者 過去3か月間の1日あたりの平均給与額が基礎となります。 交通事故前3か月の収入(基本給+付加給与[諸手当])÷90日×認定休業日数(会社の総務課が作成したもの、担当者名、代表社印) |
2.パート・アルバイト・日雇い労働者 日給×交通事故前3か月間の就労日数÷90日×認定休業日数(アルバイト先等の証明を要します。) |
3.事業所得者 事故前年の所得税確定申告所得を基準に、1日あたりの平均収入を算出します。 |
4.家事従事者 家事ができない場合は収入の減少があったものとみなし、下記によって算定 ★専業主婦(主夫)の場合 女性労働者の全年齢平均賃金額から算出された基礎収入額×休業日数 ★兼業主婦(主夫)で「収入<女性労働者の全平均賃金」の場合 専業主婦(主夫)の計算式と同じ ★兼業主婦(主夫)で「収入>女性労働者の全平均賃金」の場合 {事故前3ヶ月分の給与額÷稼働日数(出勤日数)}×休業日数 |